ズッパ・イングレーゼ その4 フィリッポさんとの対談 中編

(注)前回にひきつづき今回も真面目な内容となっております。長文となりますがお読みいただければ幸いです。

前回の記事 ズッパ・イングレーゼ その3でパティスリー301が用意したズッパ・イングレーゼについてトスカーナ伝統家庭料理研究家として活躍中のアモロソフィリッポさんに批評していただきました。

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フィリッポさん:あともうひとつ、このズッパ・イングレーゼで重要な点があります。

社長:重要な点・・・

パティスリー301が試作したズッパ・イングレーゼ
イタリアの伝統的なレシピを基に全てのパーツを作り組み立てたものでしたが・・・


フィリッポさん:スポンジ部分はビスケット生地ですか?

社長:はい、イタリア式のフィンガービスケットです。

フィリッポさん:このビスケット生地をもっと柔らかくしてください。くちどけを良くすることでもっと一体感がでます。

キャラメル職人:なるほど、今回はトスカーナ地方の伝統的なレシピを基にしてズッパ・イングレーゼを作ってみましたが、トスカーナ人のフィリッポさんが召し上がっていただいて、このような感想をいただけたことに驚きました。

フィリッポさん:トスカーナとヒトクチに申し上げても、南と北でも大きく違います。何を持ってトスカーナ風と呼ぶのか実はとてもむずかしいことです。そしてトスカーナ人は自分の住んでいる地域を大切にします。そういえば今日(取材日は6月24日だった)は"Calcio Storico"の決勝戦の日でしたね。

キャラメル職人:"Calcio Storico"とはなんですか?

フィリッポさん:私の住んでいたフィレンツェで行われている古式サッカーです。別名けんか祭りともよばれています。フィレンツェを4つのチームに分けて争うのですが、この時ばかりは地区が違えば日常生活でも口を聞かないこともあります(笑)。


参考)"Calcio Storico"についての動画をYoutubeで見つけることができた。サッカーと呼ぶには余りあるフィジカルコンタクトの多さだ。暴力的なシーンも多いので、苦手な方はご注意ください。



フィリッポさん:まず分かっていただきたいのは、日本にいる以上完全なトスカーナを再現するのは無理だということです。

ここでフィリッポさんがイタリア式のコーヒーポット(モカポット)を見せてくださった。


フィリッポさん:日本に来てから初めてコレ(モカポット)を使ってモカ(コーヒー)を入れた時はびっくりしました。自分がコーヒー淹れるのが下手になったんじゃないかってね。

フィリッポさんがモカポットを使って淹れてくれたコーヒー。デットストックのデミタスカップが可愛らしかった。

キャラメル職人:いただいたコーヒーはとても美味しかったです。(←キャラメル職人はコーヒー好き)

フィリッポさん:ありがとうございます。日本の水は軟水でフィレンツェの水は硬水です。水だけでなく空気、小麦、チョコレート、何から何までやはり日本とイタリアは異なります。だから再現することはとても難しいのです。

文化と風土の違いという大きなテーマに突入し議論は白熱していく 
つづきは次の記事で

ではでは〜

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